スポンサーリンク
小説

第四十七話「山の清流から教室の冷気へ」

俺は、ばあちゃんの家がある山の中にいた。 きれいな清流が流れていて、まわりには田植えを終えた田んぼが広がっている。 俺の大好きな場所だ。 初夏の空気が、すべてをやさしく包んでいた。 そんな空気のなか、家の中からばあ...
小説

第四十六話「重たいまぶたと、軽やかなバス」

ゆっくりのんびりいきましょう。 俺はバスに揺られていた。 どこへ向かっているのか、はっきりしない旅。 ここはどこなんだろう――そう思ったとき、遠くでバイクの音が聞こえてきた。 その音で、俺はこの世界に戻ってきた。 ...
小説

第四十五話「マルシェごはん、ひと口ずつの夏」

喉の渇きで目が覚めた。 窓を開けると、夜の熱気がまだ少し残っていた。熱帯夜だったんだと思う。 少しぼんやりしながら、水を飲み、ゆっくりと目を覚ましていく。 SNSの投稿はこれで1001件目。節目のような朝。 今日は...
小説

第四十四話「港にあつまる朝のリズム」

鳥の声が聞こえて、目が覚めた。 今日は土曜日。 いつもより、ちょっとだけゆっくりの朝。 ここ数日は、もうひとつの世界に呼ばれていない。 満月の影響もあるのかもしれないな。 カーテンをあけて、窓もひらく。 ...
小説

第四十三話「変わらぬ月と、変わるべきは己」

目が覚めた瞬間から、すでにフラフラだった。 金曜日がやってきた。 今夜は満月。7月の満月は「バックムーン」と呼ばれるらしい。 しかも今宵はスーパームーン。一年でいちばん大きく見える満月。 まるで空に浮かぶ巨大な提灯...
小説

第四十二話「青眼の白竜より請求書が怖い」

気がつくと朝が来ていた。 清々しい朝とは程遠い、どこか鉛のように重たい倦怠感。 布団の中でまどろみながら思う——起きるのが、つらい。 あぁ、大海原に浮かんで、クラゲのようにただ漂っていたい。 やがて現実が容赦なく呼...
小説

第四十一話「ストレスと一杯のラーメン」

あっちの世界のあの場所にいた。 ここにも、あの場所があったのか。 俺は、言葉にならない絶望感に襲われた。 脳の奥に、何か黒く重たいものが沈んでいくような感覚。 夜明けと共に目が覚める。 布団の中でしばらく動け...
小説

第四十話「団結は夢、塩分は現実」

俺は朗読会に参加してた。 今日の朗読は……なんと俺が書いた小説だ。 参加者全員で、俺の作品を朗読する。 うれしいような、恥ずかしいような、不思議な感覚。 みんな真剣に読んでくれる。 心を込めて読むと、作品に命...
小説

第三十九話「地球の熱、コーヒーの香り、そして僕ら」

七夕の朝、ひさしぶりに“あっちの世界”に行かずに目が覚めた。 外はすでに陽が差し、セミが鳴いている。 令和7年7月7日―― トリプルセブン、777のラッキーデーだ。 なんだか、今日は良いことが起きそうな気がする。 ...
小説

第三十八話「星の街に夏が舞い降りた日」

紙飛行機。それは、誰もが一度は折ったことのある、あの折り紙のかたち。 俺はあっちの世界で、その紙飛行機の大会に出ていたんだ。 参加者たちは、それぞれ思い思いの紙飛行機を折っていた。 中には、本物そっくりの飛行機を再現して...
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました