小説第二十四話「マルシェで過ごした一日」 「ビスケットの缶にはいろんなビスケットがつまってて、好きなのと好きじゃないのがあるでしょ?それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛い事あるといつもそう思うのよ。今これやっとくと後になって楽... 2025.06.22小説
小説第二十三話「キングを釣って、シェイカーに敗れる」 「先のことはわからないからなんとも言えないが…。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」 ーー宮島未奈「成瀬は天下を取りに行く」 まだ外は真っ暗だった。 目覚ましが鳴るより先に、胸の高鳴りで目が覚め... 2025.06.21小説
小説第二十二話「夏島とオールブルー」 「同じ友人といつも一緒にいると、友人が自分の人生の一部となってしまう。すると、友人は彼を変えたいと思い始める。そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持ってい... 2025.06.20小説
小説第二十一話「うどん出汁の香る夢の底」 「いま君は、大きな苦しみを感じている。なぜそれほど苦しまなければならないのか。それはね、コペル君。君が正しい道に向かおうとしているからなんだ。」 ーー吉野源三郎『君たちはどう生きるか』 気がつくと朝が来ていた。 ... 2025.06.19小説
小説第二十話「涼しい風と熱い草抜き」 「これからはこれまでとは違う。私はもうこれ以上誰の勝手な意思にも操られはしない。これから私は自分にとってのただひとつの原則、つまり私の意思に従って行動する。」 ーー村上春樹『1Q84』 涼しい風が窓から入ってくる。 ... 2025.06.18小説
小説第十九話「戦国の世といまの世」 「遅れをとっても、何もしないよりいい」 ーースペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』 深夜2時。 今年初の熱帯夜。俺はその暑さで目を覚ました。 まだ6月中旬。だがこの蒸し暑さ、十分すぎるほど夏だ。 ... 2025.06.17小説
小説第十八話「月曜日とペプシと意味について」 あなたは変われないのではありません。人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。 ーー岸見 一郎/古賀 史健『嫌われる勇気』 ... 2025.06.16小説
小説第十七話「風とコーヒーと偶然の笑顔」 「運が劇的に変わるとき、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください」 ーー喜多川泰『運転者』 深夜、サイレンが遠くで鳴り響いていた。 窓を打ちつける大雨... 2025.06.15小説
小説第十六話「梅雨の休日とチタタプ」 「これは好き嫌いの問題ではない。正しい正しくないの問題でもない。いったんやり始めたことは最後までやり遂げなくちゃならない。そこには俺自身の命運がかかってもいるのだ。」 ーー村上春樹『1Q84』 俺は砂漠の真ん中を歩いて... 2025.06.14小説
小説第十五話「うどん券の悲劇」 「やってみないとわからないことはたくさんあるからな」 ーー宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』 やっと金曜日。 今週は体感で10日くらいあった気がする。いや、実際はまだ金曜。あと一日あるのが現実。 カーテンを... 2025.06.13小説