紙飛行機。それは、誰もが一度は折ったことのある、あの折り紙のかたち。
俺はあっちの世界で、その紙飛行機の大会に出ていたんだ。
参加者たちは、それぞれ思い思いの紙飛行機を折っていた。
中には、本物そっくりの飛行機を再現している人もいたりして。
でも、共通しているのは――みんなが笑顔だったってことかな。
俺も子どもの頃を思い出して、紙飛行機を大空へテイクオフさせた。
ふわりと風に乗って、空高く舞い上がっていくその瞬間、なんだか心が軽くなった気がしたんだよね。
目が覚めたとき、俺はこっちの世界に着陸していた。
朝がやってきた。
今日はイベントの日。
カピバラのタケルとダイチも、お気に入りの水筒を持って準備ばっちり。
間違いなく今日も暑くなる――熱中症には要注意、だね。
今日の会場は、美しい星の街。
向かう道すがら、七夕飾りを見かけた。
ああ、もうすぐ七夕なんだなぁと、夏の時間が胸の奥で静かに進んでいくのを感じた。
イベントの会場に到着。
出店者さん、主催者さんにあいさつをして、さっそく設営開始。
暑い。今日は本当に暑い。
出店した中で、過去一番の暑さじゃないかな。
でも俺は、暑さが嫌いじゃない。
むしろ、かかってこいって思ってるくらいでさ。
そんな中でも、イベントが始まるとすぐにたくさんのお客様が来てくれて、にぎやかさに包まれた。
さすが、星の街のマルシェ。
主催者さんには、本当に感謝しかないなぁ。
さっそく、コーヒーの注文をいただいた。
暑い中、ありがとうございます。
香り高いアイスコーヒーをお淹れしますので、少しだけお待ちくださいね。
コーヒーを飲んでくれたお客様の笑顔――それを見た瞬間、なんだか胸がいっぱいになった。
あぁ、俺はこの笑顔のためにコーヒーを淹れているのかもしれないなって。
次々にお客様が注文してくれて、暑いなんて言ってる暇はない。
「前に飲んでおいしかったから、また来ました」なんて言ってくれる方もいて、ほんと励みになるよね。
初めて出会う出店者さんたちも、みんなあたたかい方ばかり。
ふと気がつくと、セミの声が聴こえてきた。
今シーズン初めての、セミの合唱だ。
まるで俺を応援してくれてるみたいで、ちょっと笑っちゃった。
お昼になるころ、太陽の光もいよいよピーク。
そんなタイミングで、会場にあのサーキュレーターが届いた。
ほんとにありがたい。助かったぁって、心の底から思った。
並んでくださってるお客様には、できるだけ木陰でお待ちいただくようお声がけした。
この暑さの中、みなさん本当にありがとう。
イベントの終わりが近づいてきたころ、他の出店者さんが差し入れを持ってきてくれた。
今夜の晩ごはん、決まりだ。ありがとうございます。
最後のお客様のために、心を込めてコーヒーを淹れる。
たくさんの笑顔と出会いの中で、今日のイベントが無事に終わった。
暑い中お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
片付けを終えて、俺は家路についた。
途中でスポーツドリンクを買って、しっかり塩分も補給。
洗い物を終えてテレビをつけると、ちょうどプロ野球中継が流れていた。
最終回、なんと逆転の場面。
いいところでテレビをつけたなぁ、なんて思ってたら、そのまま逆転勝ち。
ナイスゲームだった。
そんな余韻に包まれながら、気分よく今日を締めくくる。
やっぱり夏っていいな。
カピバラのタケルとダイチも太陽をいっぱい浴びて、ちょっと日焼けしたみたい。
ふたりともおつかれさま。
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