第二十話「涼しい風と熱い草抜き」

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「これからはこれまでとは違う。私はもうこれ以上誰の勝手な意思にも操られはしない。これから私は自分にとってのただひとつの原則、つまり私の意思に従って行動する。」

ーー村上春樹『1Q84』

涼しい風が窓から入ってくる。

昨夜は熱帯夜だったのが嘘のように、朝の空気はひんやりしていて気持ちいい。

週の真ん中、水曜日。

身体がやけに重たい。どうやら夢の中で、もうひとつの世界を駆けずり回っていたらしい。

カーテンの隙間から外を見れば、モフモフした仲間たちがのんびりと散歩していた。

その光景に、ちょっとだけ癒される朝。

昨晩は、いつも見ているYouTuberの配信を見た。

でも、なんだか昨晩は違った。

無責任な言葉、適当な態度。

「…もうこのチャンネルは今夜で終わりだな」

そうつぶやいて、動画を閉じた。

出勤前、少しだけ海を眺める。

波は静かで、空も青い。

「心だけでも、穏やかでいたいな」

そう思いながら、深く息を吸い込んだ。

あの場所に今日もやってきた。

門の前では、マイクを持ったおじさんが“安全”と“残業”について熱弁をふるっている。

「今日は定時退場日です」って。

「毎日定時で帰らせてよ」

心の中で思わずツッコミを入れる。

両耳イヤホンで歩きスマホの人、

でっかいスーツケースを片手に自転車に乗る人、

一時停止を完全に無視する自転車。

「おじさん、あなたの声、たぶん誰にも届いてないよ…」

部屋の扉には「本日昼休みに草抜きやります」の紙が貼られていた。

「いや、昼くらい、ゆっくり休ませてくれよ…」

それでも俺は、うどん小屋へ向かう。

今週から“ぶっかけうどん”が始まったらしい。

小さな楽しみをひとつ、大事に味わう。

その後は草抜き。

曇り空だけど、じっとり暑い。

ポスターには「熱中症に気をつけましょう!」とあるけど、なんだか虚しい。

黙々と草を抜きながら思う――これって、もうブラック労働だよな。

午後の仕事で、若手にちょっとキツめに注意する。

でも響かない。

なんなら、冷たい視線で返される。

「パワハラ」って言われたら、それで終わりの時代。

だけど最近は、“逆パワハラ”って言いたくなるようなことも多い。

便利になったこの社会。

でも、言いたいことも言えない。

ほんと、難しい時代だ。

仕事を終えて、久しぶりに港へ向かった。

初夏の海風が心地いい。

クラゲたちが、フワフワと泳いでいる。

「おまえら、何を考えて生きてんだ?」

なんて、つい呟いてしまう。

今日もいろんなことがあった。

毎日同じことの繰り返しみたいだけど、少しずつ変化もしてる。

頭の中に、自然と流れてくるあのメロディ。

🎵 言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、POISONだぜ

俺は少しだけ笑って、また明日へ向かって歩き出す。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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