第七話「造船の街と、未来のレシピ」

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「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。もちろん私とも、家族とも、友達ともよ。あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしかないのよ。」

ーー 西加奈子『サラバ』

木曜日。

目覚めた瞬間、胸の奥が重たくて、息が浅かった。

体の芯に鉛が詰まっているみたいだ。

カーテンの隙間から差し込む光はまだ優しく、

外の空気はひんやりと肌をなでてくる。

ナッツと干し葡萄の朝食を口に運びながら、

思考のスイッチを探している。

冷水を浴びると、身体が少し目覚めた。

それでも、どこか夢の世界の香りが、まだ残っている。

エンジンをかけて車に乗る。

ラジオから「科学と技術の違い」についての話が流れてきた。

「生成と消滅は、宇宙の本質だ」と誰かが言っている。

走り慣れた道の途中、

朝ラーメンの店が営業を再開していた。

あの湯気もまた、一つの“再生”のかたちかもしれない。

ふと気づくと、スマホの充電ができていなかった。

単なる接触不良?

それとも、電気の流れがこの世界のどこかで止まってしまったのか?

誰かが見えないスイッチを切ったのかもしれない。

風が涼しく、日差しは強い。

バス停のベンチに腰掛けると、

どこからともなく甘い香りが漂ってきた。

それは今朝、夢の中でも感じた香りだった。

時刻表を見ると、バスは一日一本。

この街はかつて、造船の街として栄えた。

いや、今もきっとそうだ。

港では、タグボートが戦艦を海へと送り出していた。

黒い煙を吐きながら、巨大な鉄の塊がゆっくりと海へと滑り出していく。

鉄は沈むはずなのに、浮かんでいる。

それは科学であり、技術であり、

そして“人の信じる力”でもある。

もし、誰も信じなかったら──

鉄は沈み、船は生まれなかったかもしれない。

職場でコーヒーを淹れた。

湯気に包まれて、朝の香りが再び胸をくすぐる。

世界は今日も、たくさんのニュースで溢れている。

事件、災害、経済、戦争。

すべてが人の営みの結果であり、

理不尽という名の渦の中にある。

この世界で、

何を信じ、どう生きていくか。

科学か、技術か。

それとも、ただ一人の声か。

空を見上げる。

さっきまで曇っていた空の隙間から、陽の光が差し込んだ。

俺はまだ、信じるものを探している。

あなたが信じるものは、なんですか?

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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