台風が近づいている。
日本近海で生まれた渦は、目に見えぬ力で大気をかき回し、ひとつの世界を揺らしている。
最近では、突如として姿を現す台風も珍しくない。
地球温暖化のせいだと人は言う。
けれど思う。
地球の歴史は、揺らぎと循環の連なり。
気温は、上がり、下がり、大いなる呼吸のように繰り返されてきた。
今がたまたま、上昇の瞬間なのかもしれない。
環境が変われば、自然も、人も、動物も、その歩みに合わせざるを得ない。
台風に備えよう。
規模は大きくなくとも、雨は雨、風は風。
人間がつくり出したものではない、真の力を秘めている。
海は荒れ、雨は大地を打ち、風は街を駆け抜ける。その騒乱の裏で、海水温は静かに下がり、地球は冬への支度を始める。
人はただ、流れに身をゆだねるしかない。
自然には勝てないからだ。
けれど、共に生きることはできる。
海からの恵みをいただき、大地に根を下ろし、空に祈りを放つ。
水、陸、空。
無限大の循環の中で、人は歌を口ずさむ。
19の旋律が心を支え、自然の猛威に響きを重ねる。
台風が来ている。
どうか、ご安全に。
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