つまらないは 隙間のようだ
誰も気づかぬ 影のようだ
けれど その中に
小さな芽がひっそりと息づいている
なぜつまらないは つまらないのか
それを考えるとき
すでに心は遊んでいる
退屈は おもしろいの種なのだ
世の中は答えより
たわいのない会話を欲している
湯気の立つ茶碗
ゆるやかなうどんの麺
ほんの少しの変化に
人は季節を思う
秋風が窓を叩き
空は茜に染まってゆく
「まぁそのうち慣れるだろう」と
つぶやく声さえ
どこかやさしい詩になる
台風の知らせよりも
通り過ぎた風の匂いに
僕は耳を澄ませたい
つまらないは じつは光であり
おもしろいは その影をうつす鏡だ
今日もまた
言の葉に寄り添い
言の葉に支えられ
ただ静かに
「ありがとう」と
胸の中で唱える
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