第十四話「強さってなんだ?」

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試練はいつか必ず訪れます」
「試練は人生の仕切り直しの好機なんです。きつければきついほど、それはあとになって役に立ちます」

ーー村上春樹『騎士団長殺し』

目を覚ました瞬間、不安が胸を締めつける。

理由なんてない。ただ、漠然とした不安がある。

この不安の正体はなんだろう? 明日? 未来? それとも、今日?

同じような毎日。同じような朝。

だけど、俺はまた今日も生きる。

プロ野球のハイライトを見ながら、昨日の延長戦での勝利に少し元気をもらう。

勝つって、やっぱり気持ちがいい。

玄関を開ける。

雨だ。今日も。

海が見える。

港から、ひとつの船が静かに出港していく。

どこへ行くんだろう――ここではないどこかへ。

脳裏にGLAYのメロディーが流れる。

あの頃、何を求めていたっけ。

俺はまた、あの場所へと向かう。

同じ景色、同じ人たち、同じ“おはようございます”。

隣のおじさんの貧乏ゆすりも、今日も絶好調。

若い頃、ドラムでも叩いていたのかな?と思ってしまうくらいのリズム感だ。

最近、ミスが増えた。

自分のミスはまだしも、人のミスの後処理は本当に厄介。

これが“中間管理職”ってやつか。

ポットが湯が沸いたことをメロディーで知らせてくれる。

俺よりよっぽどちゃんと報告してるじゃないか。

「ここって変わったやつ多いよな」と誰かが言う。

「普通って何だよ」と心の中でツッコむ。

「みんな違ってみんないい」なんて理想論、会社では通用しないこともある。

社会にはルールがあって、法律があって、それが“秩序”ってものを作っている。

でも、法律がなかった時代だってあるはずだ。

ルールがなければ、世界はどうなる?

好きなマンガで言っていた――「所詮この世は弱肉強食」って。

じゃあ、“強さ”ってなんなんだろう?

怒鳴ること?

黙って耐えること?

相手をねじ伏せること?

それとも、自分に負けないこと?

強くありたいと思う。

けど、強くなれない日だってある。

今日だってそうだ。

ナイターが始まる。

今夜も勝ってくれ。

勝つってやっぱり嬉しいもんだ。

そう思えるうちは、きっと俺はまだ、大丈夫だ。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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