第十三話「秀吉と家康と俺の午後」

小説
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「焦ってはいけません。こつこつ、こつこつです」

ーー宮下奈都『羊と鋼の森』

昨晩は、どうにも寝つけなかった。

気持ちはどこかざわざわしていて、身体も心も沈んでいた。

今朝も雨。灰色の空が気分に輪をかける。

仕事なんて行きたくない。でも現実は、無慈悲に背中を押す。

玄関を開け、無言で車に乗り込む。

ハイブリッドカーは静かすぎて、まるで夢の中の乗り物のようだ。

エンジンがかかったことに気づかず、「さぁ、行こうか」と呟いた。

道にはカッパ姿の高校生、自転車の車輪が水を跳ねている。

遠くでサイレンを鳴らす救急車。

車の中は、俺だけの領域。誰にも邪魔されない。

天井に落ちる雨音が、世界からの応答のように聴こえる。

不意に、ラジオから歴史番組が流れ出す。

「本日は、豊臣秀吉と徳川家康の一騎打ちについてお送りします」

戦国の名将たちが語られる。彼らは何を背負い、何を信じていたのか。

その瞬間、視界が歪んだ。

いや、歪んだのは現実の方かもしれない。

フロントガラスの向こうに、城が現れた。

瓦屋根、槍を持った兵士たち、馬上の武士。

これは…まさか。

俺の車は、湿った土の上を走っている。

遠くに戦の音が聞こえる。弓矢が飛び、火薬がはぜる。

一人の武士がこちらに歩み寄ってくる。目を細めて俺を見つめ、こう言った。

「お主…未来から来たのか?」

「……さぁな。ただ、今しか存在しない世界にいるだけさ」

ふっと意識が戻る。目の前には職場の駐車場。

いつものようにタイムカードを押し、いつものデスクへ。

昼休みが終わる。午後の仕事がはじまる。

定時までがんばろう。そう、俺は時間を気にして生きている。

だけど——

この世界には「今」しか存在しない。

雨は、止んでいた。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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