第十二話「流れの先に」

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「愛(LOVE)は動詞なのです。愛という気持ちは、愛するという行動から得られる果実です。」

ーースティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』

朝、目が覚めた瞬間から、空は泣いていた。

雨は容赦なく窓を叩き、重たい空気が部屋の隅々まで染み込んでいた。

息苦しさと鈍い頭痛がまとわりつく。火曜日。逃げることのできない現実の中へ、今日も歩みを進める。

お気に入りの長靴を履いて玄関を出た。

昨日発生した仕事のトラブル、朝から対応しなければならない。

「さぁ、かかってこい」

心のどこかでつぶやく。どうせ避けられないなら、真正面から向き合うだけだ。

人生のあらゆる出来事は、俺を育ててくれるのだから。

コンビニでキリマンジャロのコーヒーを手に取る。

名前だけで、少しだけ気分が上がる。タンザニアの標高5895メートル。アフリカ大陸の最高峰。

「最高峰」っていい言葉だ。

自分も何かの、誰かの、何気ない一日の“最高”になれるだろうか。

ふと、道の真ん中にスッポンがいた。

雨の中でこちらを見上げるその姿に、少しだけ笑ってしまう。

回り道しよう。焦る理由もない。

その先は、やっぱり大渋滞。

みんな今日も懸命に生きている。車の窓越しに見える顔は、それぞれの事情と感情を抱えていた。

ようやく会社に着く。

湿った空気は、職場の重たい沈黙と混ざり合い、胸を圧迫してくる。

「挨拶だけしてればいい」という空気。

果たして、それで本当に人と人がつながっているのか。

形式のための言葉に、心はあるのだろうか。

デスクに座り、パソコンの電源を押す。

今日も、機械だけは素直だ。――と、思ったら起動にやたら時間がかかる。

「調子が悪いのか、おまえもか」

メールを開けば、未読が雪崩のように襲ってくる。

誰が考えたんだ、この無限のやりとりを。

パソコンは人を豊かにした。そう言われている。でも、本当にそうなのか?

問題はいつだって“使う側”にある。

技術が進みすぎて、人間が追いついていない。

時代は変わった。

でも、人の根っこは、そんなに変わっていないのかもしれない。

それなのに、全員が「変わらなきゃ」と言われ続ける。

進歩に追われて、自分を見失いそうになる。

任せるということの難しさ。

育てるという概念の違和感。

「時代が違う」と言われればそれまでだ。

でも、その“違う時代”を歩んできた人たちがいるから、今の自分がここにいる。

無駄だったことなんて、きっとひとつもない。

たくさんの「課題」を抱えた一日が終わった。

海が見える場所まで歩く。

雨は止んでいた。

港には、大きな船が停泊している。

「あぁ、あの船に乗って、どこか知らない場所へ行ってみたいな」

そう思うたびに、今日の自分に「よくやった」と小さくつぶやく。

それだけでも、まだ明日へ進める気がする。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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