タケルとダイチ

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小説

第二十八話「クラウンより保険が高い国」

「二度考えるよりは、三度考える方がいい、というのが私のモットーです。そしてもし時間さえ許すなら、三度考えるよりは、四度考える方がいい。ゆっくり考えてください」 ーー村上春樹『騎士団長殺し』 鳥たちが朝から騒いでいる。 ...
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第二十七話「給料日と賠償金とうどんの湯気」

「人生という大海原に漕ぎ出す時に、その船が誰のものであるか、自分が船長か船員か、船が大きいか小さいかなんてどうでもいい。大事なのは、その船が何を目的として航海をするかだ。」 ーー喜多川泰『手紙屋』 この時期にしては珍し...
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第二十六話「雨音とアンガーマネジメント」

「事実なんて、どこにもない。ただ、それぞれの解釈があるだけだ。」 ーー凪良ゆう『流浪の月』 雨の音で目が覚めた。 まだ午前二時。 真っ暗な天井を見つめていると、昨日の出来事がするすると脳裏に浮かんできた。ま...
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第二十五話 「深夜の円陣、昼はうどん会議」

「誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいいのです。もちろん、他者と自分を比較する必要もありません。」 ーー岸見 一郎/古賀 史健『嫌われる勇気』 深夜0時半。 そいつらは、唐突にやってきた。 ...
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第二十四話「マルシェで過ごした一日」

「ビスケットの缶にはいろんなビスケットがつまってて、好きなのと好きじゃないのがあるでしょ?それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛い事あるといつもそう思うのよ。今これやっとくと後になって楽...
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第二十三話「キングを釣って、シェイカーに敗れる」

「先のことはわからないからなんとも言えないが…。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」 ーー宮島未奈「成瀬は天下を取りに行く」 まだ外は真っ暗だった。 目覚ましが鳴るより先に、胸の高鳴りで目が覚め...
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第二十二話「夏島とオールブルー」

「同じ友人といつも一緒にいると、友人が自分の人生の一部となってしまう。すると、友人は彼を変えたいと思い始める。そして、彼が自分たちの望み通りの人間にならないと、怒りだすのだ。誰もみな、他人がどのような人生を送るべきか、明確な考えを持ってい...
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第二十一話「うどん出汁の香る夢の底」

「いま君は、大きな苦しみを感じている。なぜそれほど苦しまなければならないのか。それはね、コペル君。君が正しい道に向かおうとしているからなんだ。」 ーー吉野源三郎『君たちはどう生きるか』 気がつくと朝が来ていた。 ...
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第二十話「涼しい風と熱い草抜き」

「これからはこれまでとは違う。私はもうこれ以上誰の勝手な意思にも操られはしない。これから私は自分にとってのただひとつの原則、つまり私の意思に従って行動する。」 ーー村上春樹『1Q84』 涼しい風が窓から入ってくる。 ...
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第十九話「戦国の世といまの世」

「遅れをとっても、何もしないよりいい」 ーースペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』 深夜2時。 今年初の熱帯夜。俺はその暑さで目を覚ました。 まだ6月中旬。だがこの蒸し暑さ、十分すぎるほど夏だ。 ...
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