第二十四話「マルシェで過ごした一日」

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「ビスケットの缶にはいろんなビスケットがつまってて、好きなのと好きじゃないのがあるでしょ?それで先に好きなのどんどん食べちゃうと、あとあまり好きじゃないのばっかり残るわよね。私、辛い事あるといつもそう思うのよ。今これやっとくと後になって楽になるって。
人生はビスケットの缶なんだって」

ーー村上春樹「ノルウェイの森

朝、鳥たちの大合唱で目が覚める。

カーテンを開けると、曇り予報を裏切るように、太陽がほんのりと顔をのぞかせていた。

「今日はマルシェの日だ」

胸がすこし高鳴る。

荷物の最終確認はばっちり。

助手席には、カピバラのタケルとダイチが並んで乗り込んでいる。

「さぁ、出発しようか」

会場は車屋さん。

広々とした敷地に、次々と集まってくる出店者さんたち。

社員さんたちも出社し、元気なあいさつと笑顔が飛び交う。

「なんて気持ちのいい場所なんだろう」

どこか、あの職場とは違う。

比べる必要もないけれど、ここの空気はほんとうにやさしい。

曇り空ながらも、空気は湿気をたっぷり含んでいた。

水分補給は忘れずに。

設営を終えると、いよいよマルシェスタート。

タケルとダイチが、お客様に元気よくごあいさつ。

「おはようございます! いらっしゃいませ〜!」

俺も負けていられない。

車を見に来た人、整備に来た人、マルシェ目的で来た人――

今日もたくさんの出会いがあった。

こうして場をつくってくれる車屋さんには、本当に感謝しかない。

気温はじわじわと上がっていく。

共に出店する仲間のお店で、エネルギーをチャージ。

これもマルシェの醍醐味だ。

無事に一日を終えた。

体はすっかり熱をもっているけれど、心には爽快感が満ちている。

余った氷で氷水をつくって、ごくり。

「う、うまい…」

自然と声が漏れた。

この夏は、熱中症に気をつけないといけないな。

搬出作業を終えて、家路へ。

帰り道は渋滞。

だけど、焦らない。

この一日を台無しにしないためにも。

「家に帰るまでが俺のマルシェだ」

帰宅。

荷物を車から降ろして、洗い物に取りかかる。

…その前に、ちょっとだけプロ野球の結果をチェック。

今日は交流戦の最終戦だったはず。

「お、勝ってるねー」

この暑い中、お疲れさまでした。

俺も、最後までやりきろう。

タケルとダイチも、お疲れさま。

今夜はゆっくり休もうな。

マルシェの終わり際に買ったピザを晩ごはんにする。

これが、ほんとうにうまいんだよなぁ。

「タケル、ダイチ、食べたけりゃこっちおいで!」

なんて、いい一日だったのだろう。

今日出会ったすべての方々に、ありがとう。

また会える日まで、心を込めて。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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