第十六話「梅雨の休日とチタタプ」

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「これは好き嫌いの問題ではない。正しい正しくないの問題でもない。いったんやり始めたことは最後までやり遂げなくちゃならない。そこには俺自身の命運がかかってもいるのだ。」

ーー村上春樹『1Q84』

俺は砂漠の真ん中を歩いていた。

暑い。暑すぎる。

見渡す限り、どこまでも続く砂、砂、砂──

なのに、空には太陽がない。不思議だ。ただただ、焼けつくように熱いだけ。

「水……水をくれ……」

口の中はカラカラ、頭はクラクラ。

気がつけば俺は、その場に膝をつき──倒れた。

……と、その瞬間、目を覚ます。

ここは──自分の部屋。天井のシミまでいつもどおり。

そうか、夢か。だが現実もまた暑かった。

梅雨とは思えぬ湿気、気温。これが令和の熱帯夜ってやつか。

ただ今日はアラームに叩き起こされることもない。

待ちに待った休日。ゆっくり過ごせる、貴重な一日だ。

枕元のスマホで昨晩のナイターのハイライトを再生する。

舞台は北海道。雨知らずのドーム球場でのナイスゲーム。

俺の推しのチーム、見事な勝利だった。

ふと、腹が鳴る。

「モーニング、行くか」

車を走らせると、ポツポツと雨粒がフロントガラスを打ち始めた。

天気予報、当たりか。とはいえ、朝の喫茶店は混み合っていた。

みんな考えることは同じだ。雨の日の休日は、ゆったりと始めたい。

焼きたてトーストと、香り高いコーヒー。

このために一週間働いたんだ、と心から思う。

このコーヒーのように、自分も味わい深い存在になりたい。などと気取ったことを考えながら、俺は梅雨空を眺めた。

帰り道、たまたま見つけた小さなお店。

ガラス越しに並ぶ雑貨が気になって、ふらりと立ち寄る。

店内には、店主が丁寧に選んだものたちが並んでいた。

どれも温もりがあって、眺めているだけで心が和む。

梅雨のじめじめした空気を忘れさせてくれるような、静かで優しい空間。

こんな出会いがあるから、外に出るのも悪くない。

ほんの短い時間だったけれど、特別な時間になった気がした。

昼食後は小休止。映画を観ながら昼寝タイム。

「暑いから、雪の映像が出る映画にしよう」

思い浮かぶのは、北海道を舞台にした“あの作品”。

野生と文化が交差する、知と本能のドラマ。そう、「チタタプ」のあれだ。

映画の中で雪をかき分ける登場人物たちを見ながら、俺はうとうとと眠りに落ちる。

夢の中で、またチタタプしていた気がする。

夕方。再び現実へ。

明日のイベントの準備を済ませる。玄関をあけた瞬間、「うおっ……」

まるで空気が水に変わったかのような湿度。

これはアイスコーヒー一択だな。氷を多めに用意しよう。

そして今夜は豚バラ。たっぷりの黒コショウを振って、

カリッと焼いて、熱々のごはんと一緒にかきこむ予定だ。

これが俺流、梅雨の勝ちメシ。

さぁ、梅雨にも負けず、夏に向けて準備していこう。

今日という日も悪くない。終わりよければ、すべてよし。いや、今日は最初からけっこうよかったな。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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