第十話「すべての出会いに、ありがとう」

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「大きなこと百個言って、ひとつでも叶えたら、『あの人すごい』になる。だから日頃から口に出して種をまいておくことが重要なのだ。」

ーー宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』

朝、目を覚ますと小鳥たちの囀りがやさしく窓を叩いていた。

薄曇りの空はどこか気だるく、でも雨の気配はなかった。

身体の重さは、もう長年の友人のようなものだ。軽くはならないが、付き合い方はわかってきた。

今日はイベントの日。

カピバラのタケルとダイチも、朝からそわそわと落ち着きがない。彼らはこういう日をよくわかっている。

会場は、五重塔のそびえる美しい風景の中にある広場。

山から吹く風が心地よく、気温も穏やか。まさに、天が味方してくれたような天気だった。

荷物を車に積み込み、最終確認をして出発。

到着すると、スタッフや出店者さんがすでに集まり始めていた。

「おはようございます!」

元気な挨拶が飛び交う。

この瞬間が好きだ。準備のざわめき、テントを立てる音、商品を並べる手つき、ひとつひとつが、今日という日を祝っているように思えた。

そしてイベントがはじまった。

最初の一組がやってくる。

「はじめまして!」

「去年も来たんですよ!」

「タケルくんとダイチくんに会いに来ました!」

なんて、うれしいんだろう。

小さな笑顔が次々とやってきて、会場は一気にあたたかくなった。

再会する人もいれば、初めて会う人もいる。

わんちゃん連れの人々も多く、タケルとダイチは大人気だった。

出店者の仲間たちも、みんな素敵だ。

会場のあちこちで「久しぶり!」という声が飛び交う。

大変なこともあるけれど、こうして同じ空の下に集えることが、どれだけありがたいことか。

イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。

設営の時よりも、心なしか身体が軽い。

疲れはあるけれど、それ以上に満たされた気持ちがある。

帰り道、こってりラーメンを食べて、ビールでひと息つく。

「うまいなあ……」

明日からまた平日がはじまる。

でも、この余韻はしばらく胸に残りそうだ。

きっと、また頑張れる。

すべての出会いに、ありがとう。

この街に、この空に、そして——

今日、ここにいてくれたあなたに。

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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