【小説】第四話「夢の皮膜、川の魚、パチパチの音」

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「疲れを心の中に入れちゃだめよ」

「いつもお母さんが言っていたわ。疲れは体を支配するかもしれないけれど、心は自分のものにしておきなさいってね」

――村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

鳥の囀りで目が覚めた。月曜日だ。

重たい体をベッドから引きずり出しながら、窓の外に耳を澄ます。

セットしたはずの目覚ましは鳴っていなかった気がするけど、もう車が走ってる音がする。

街がまた動き出していた。

カーテンを開ける。昨日の余韻がまだ部屋に少しだけ残っていた。

気づけば6月に入っていた。今年も、半分が終わろうとしている。

思い返すとあっという間だった気もするけれど、重みはしっかり身体に残っている。

通勤途中、川を渡るとき魚が跳ねた。水面近くで、何かをついばんでいる。朝の食事だろう。

俺の今朝の朝食はナッツと干し葡萄。

意識高いようで、実はただ冷蔵庫が空っぽなだけだった。

職場に着く。静かな室内に、パチパチという音が響いていた。

音の正体については書かないでおこう。

ただひとつ言えるのは、おじさん、それは家でやってくれ、ということだ。

誰もやらない朝の体操。BGMだけが虚しく流れている。まぁ、人は人。俺は俺。

それでも、静寂の中にある違和感がじわじわと沁みてくる。

仕事のスピード。それは丁寧な証か、それともただ遅いだけか。

そんな議論が起きる。

言葉の奥にある小さな棘が、会議室の空気をピンと張り詰めさせる。

昼がきて、ふと思い出す。

あの社食のおばちゃん、今日は戻ってきてるだろうか。

食堂に向かう途中、工場の煙突から上がるモクモクとした煙が目に入った。

見るからに悪そうなにおいがする。

あれは絶対、体に悪い気がする。

とりあえず昼寝だ。

目を閉じると、深い夢に落ちていった。

あまりにも深く、あまりにも鮮やかで、

ひょっとすると、あれが本当の世界なんじゃないかと思えるほどだった。

夢の中で俺は何かを探していた。

何を探していたのか、目覚めた今では思い出せない。

ただ、確かにそこにもう一つの世界があった。

こことは別の場所で、こことは別の自分が生きていた。

夢の皮膜は薄く、儚く、それでもたしかな境界線を作っている。

疲れは体を支配する。

けれど、心は俺のままだ。

タケルとダイチ

おでの名前はタケルやで!

ちっこいのは最近、正社員になったダイチや。
旅好きなおでは後輩のダイチと
素敵な場所を
探して日々旅をしとるんやで。
ダイチと旅で見つけた
素敵な場所を
『タケルが行く』で紹介していくのでよろしくや!

ータケルの選手名鑑ー
選手名 タケル
ポジション 投手
背番号 16
利き手 右投げ左打ち
出身地 アルゼンチン
好きな食べ物 リンゴ

ーダイチの選手名鑑ー
選手名 ダイチ
ポジション 投手
背番号 14
利き手 右投げ右打ち
出身地 長崎
好きな食べ物 きびだんご

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