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第四十話「団結は夢、塩分は現実」

俺は朗読会に参加してた。 今日の朗読は……なんと俺が書いた小説だ。 参加者全員で、俺の作品を朗読する。 うれしいような、恥ずかしいような、不思議な感覚。 みんな真剣に読んでくれる。 心を込めて読むと、作品に命...
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第三十九話「地球の熱、コーヒーの香り、そして僕ら」

七夕の朝、ひさしぶりに“あっちの世界”に行かずに目が覚めた。 外はすでに陽が差し、セミが鳴いている。 令和7年7月7日―― トリプルセブン、777のラッキーデーだ。 なんだか、今日は良いことが起きそうな気がする。 ...
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第三十八話「星の街に夏が舞い降りた日」

紙飛行機。それは、誰もが一度は折ったことのある、あの折り紙のかたち。 俺はあっちの世界で、その紙飛行機の大会に出ていたんだ。 参加者たちは、それぞれ思い思いの紙飛行機を折っていた。 中には、本物そっくりの飛行機を再現して...
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第三十七話「風を忘れて、夏が来た」

日付が変わるその頃、俺は電車に揺られていた。 目的地があるようでないような、そんな深夜の電車旅。 手には読みかけの文庫本。けれどページは進まない。 眠気と、さっきまで飲んでいたビールの余韻が頭の中をふわふわさせて、文字の...
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第三十六話「チェンソーと血圧計と静音革命」

気がつくと、俺は廃墟となったビルにいた。 向こうから現れたのは、チェンソーを手にした、あの場所の若い奴だった。 いきなりそいつが俺に向かってチェンソーを振りかぶる。 俺は、またしても、あっちの世界でチェンソーマンと戦って...
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第三十五話「忠義か納期か、それが問題だ」

空に稲妻が走った。 漆黒の闇を切り裂くその光は、まるで大地への警告のようだった。 南では、いまだ地震が頻発している。 俺は西へ車を走らせていた。 目的地があるのかもわからず、とにかく西へ――。 そう、あの三蔵...
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第三十四話「ルールなき世界で一列に並ぶ理由」

俺は真っ赤なポルシェで峠を攻めていた。 圧倒的な加速、どんなコーナーも思いのままの旋回性能。そして、唯一無二のデザイン。 まさにドイツが生んだ最高傑作。イタリアの跳ね馬もいいけど、俺は断然、ドイツの跳ね馬派だ。 そんなと...
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第三十三話「止まる世界、走るカローラ、そして俺は甲板で」

小鳥の囀りで目を覚ます。 「小鳥さん、もうちょっと寝てもいいですか?」 そんな問いかけに、小鳥はもちろん答えない。だけど、俺の心に何かがざわつく。 時計は確実に、あの場所へと向かう時間を刻んでいる。 今日から7月。...
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第三十二話「伝統とがんばれ」

寝苦しい夜で、何度も目が覚めた。 夢の中で、俺はどこか広くて乾いた場所を歩いていた。 空はぼんやり明るくて、熱気が体にまとわりついてくる。 遠くのほうで、誰かが誰かと笑いながら話している。 水がない。そう思った瞬間...
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第三十一話「欲しいのは涼しさ、手に入れたのは汗とスパイス」

「思い描く内容がどんなものであれ、まだ起きていないのなら、それは妄想です。」 ーー草薙龍瞬『これも修行のうち』 日曜日の朝は、どこか空気が違う。 それは単に俺が二度寝したからかもしれないし、あるいは地球が今日はち...
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